人気ブログランキング | 話題のタグを見る

これはひどい

茄子彦は激怒した。必ず、かの邪智暴虐の編集委員を除かなければならぬと決意した。茄子彦には政治がわからぬ。茄子彦は、ただのキモカメである。下手な写真を撮り、レイヤーに粘着して暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

……というわけでこんばんは。茄子彦です。
えー、当ブログではいちおう、政治関係の話は書かないことにしてたんですよ。
「初対面の人に政治と宗教の話はNG」という言葉があるように、政治的な話って人それぞれ主義主張が違うから、たやすく論戦化→険悪なムード、って感じになっちゃうじゃないですか。
何もプライベートのブログでまで言い合いをしたくないってのもあって、そのテの微妙なネタ振りは避けてきたのですが、今回はさすがにひどいと言うか無視できない話だったので、あえて禁を破って書いてみようかと。

で、いったい何に怒っているのかというと下の記事。

 【政論探求】「反基地」勢力が叫ぶいかがわしさ (1/2ページ) - MSN産経ニュース
 
あまりにひどい記事なので、以下に全文引用してみます。
 
 また、なんともやりきれない事件が起きた。沖縄の駐留米兵による少女暴行事件だ。
 関係当局は事件を徹底的に調べ、糾弾すべきは糾弾してほしい。当然ながら、この米兵は厳罰に処せられるだろう。中学3年生、14歳の少女に一生背負わなくてはならないキズを負わせたのだから、これは償いようがない。
 以上のことを踏まえたうえで、あえて書かなくてはならない。平成7年の少女暴行事件の再来として、現地では受け取られている。それは感情論としては分かるのだが、「反米」「反基地」勢力が気勢をあげているのは、なんともいかがわしさがにおう。
 この事件を政治闘争の具にするというのでは、被害少女への思いやりを欠くというものだ。こういう事件を前にしては、人間の尊厳に対してどこまでも誠実でありたい。
 「米軍は出ていけ」と声高に叫ぶのは言論の自由なのだろうが、そこには責任も伴わなくてはいけない。日本の安全保障は米国の「核の傘」が基本であることはいうまでもない。米軍撤退を主張するのなら、独自核武装論が付随しないと日本をめぐる安保環境は激変してしまう。
 パワーバランスの空白を招いたら、東アジアの軍事情勢は一気に緊迫する。ほくそ笑むのは誰か。そこを抜きにして、厳粛かつ現実的な安全保障政策は語れない。
 そういってはなんだが、これでまた、普天間飛行場の移設問題で、地元の首長や議員たちが日和見を決め込む理由ができた。基地との共存共栄以外に沖縄がたどるべき道はない。そのことを百も承知していながら、彼らはからだを張ってこなかった。
 日米安全保障協議委員会に設置されたSACO(特別行動委員会)が普天間の全面返還、ヘリポート移設を打ち出してから、もう10年が過ぎた。名護市のキャンプ・シュワブへの移設で日米合意が交わされているが、地元の調整は一向に進まない。
 それにしても、一部メディアのヒステリックな伝え方はいったいどう理解したらいいのか。事件は事件、安保は安保、と冷静に切り離し、日米同盟の死活的な重要さに思いをはせてこそジャーナリズムだ。
 「住民自決は軍命令」と信じて疑わない体質と共通する情緒的反応の弊害を、そこに指摘しないわけにはいかない。
 「知らない人についていってはダメ」。筆者などの世代は子どものころ、親から口うるさく言われたものだ。
 米軍基地が集結する沖縄である。夜の繁華街で米兵から声をかけられ、バイクに乗ってしまう無防備さ。この基本的な「しつけ」が徹底していなかったことは無念、という以外にない。(客員編集委員 花岡信昭)

 
要するにこの記事を書いた人は、事件を起こした米兵や沖縄にばかり在日米軍基地が偏在する事実に問題があるのではなく、被害者の女子中学生のほうにこそ問題があるのだ、と言いたいわけですね。
そのあたりの論理構造は本文にも滲み出ていますが、執筆者本人のブログにもよく表れていて。

 イザ! はなさんのポリログ:なんともはやの沖縄「少女暴行事件」
 
こちらはさすがに全文引用はしませんが、「被害者が怪我を負ってないのはなぜだ(→同意のうえだったのではないか)」「成人に見えたというが、どんな格好をしていたのか(→被害者はちゃらちゃらした格好をしていてのではないか)」と一方的に邪推しています。

こうした偏見というかあまりにもひどい物言いに、ブログ界隈でも執筆者に対する批判の声が多く上がっていますが、それも当たり前の話でしょう。
同様に論議を呼んだ舌禍事件としては倖田來未の「35歳以上の妊婦の羊水は腐ってる」発言が記憶に新しいところですが、こちらに関しては茄子彦的には怒りとかは感じなかったのですね。
倖田來未の発言の真意は、「高年齢出産はいろいろとリスクがあって危ない」ということにすぎず、それを(本人の考えとしては)サービス精神で面白く言った結果、ああいった言葉になってしまっただけでしょうから。
それに比べて今回の発言が醜悪なのは、その真意が「日米安保は日本にとって欠くべからざる生命線である。それに比べれば女子中学生が性的被害にあったことなどたいしたことではない」という自己中心的なものにあることです。

確かに、(百歩譲って考えれば)被害にあった女生徒にも落ち度はあったのかもしれません。
だからといって「だから悪いのは被害者の方だ」というのは論理の飛躍がすぎます。
今回の事件の原因が、加害者である米兵の倫理観の欠如と、沖縄にのみ在日米軍基地が偏在しているという状況にあることは言うまでもないでしょう。
にもかかわらず、従前の日米関係維持のために被害者個人の責任をことさらに言い募り、その尊厳までも踏みにじる記事内容は卑劣というほかなく、吐き気を催します。
果たしてこの記事を書いた花岡という人は、被害者の面前でも同じことが言えるのでしょうか。あるいは自分の大切な人(親族や恋人など)が同様の目にあったときでも同じことが言えるのでしょうか。そうした想像力の絶望的な欠如がこの記事からは感じ取れます。
確かに日米関係の重要さは理解できますが、それはこの国に住む全ての人(この記事を書いた人も、それから茄子彦自身も)が等しく負うべき事柄であり、そこから生じる歪みを被害者である女子中学生ひとりに負わせようとする考えには全く賛同できません。
もはやこの記事を書いた花岡氏は猛省すべき、とかいうレベルではなく、被害者に土下座して謝ったうえで今後一切文筆活動はやめろ、とさえ思います。
沖縄在住者が産経新聞系列企業の商品の不買運動を呼びかけているのも当然と言えるでしょう。

……などと日頃書かない政治的な話を、これまた日頃は自重している怒ってる系の文章で書いてしまいました。
長文失礼しました。

【2008年2月10日 東京コスプレキャラクターショウ】
上の文章ではいつもと違うテンションでしたが、掲載するお写真はいつもと同様ですよ(この落差が我ながらすごいというか)。
今回掲載させていただくのは、花桃まりさんのお写真です。
この方のお写真とかは以前から他のカメラマンさんのサイトなどで拝見してて、きれいな方だなーって思ってたのですが、この日初めて自分でも撮らせていただけたのですよ。
ご本人はほんとうに素敵な方で、茄子彦悶絶でした。

花桃まり さま
これはひどい_a0088158_2055895.jpg

これはひどい_a0088158_2062677.jpg

これはひどい_a0088158_2064158.jpg

これはひどい_a0088158_20154098.jpg

これはひどい_a0088158_207251.jpg

これはひどい_a0088158_2072451.jpg

これはひどい_a0088158_208437.jpg

これはひどい_a0088158_20820100.jpg

これはひどい_a0088158_2084546.jpg

これはひどい_a0088158_209095.jpg

by nasuhiko | 2008-02-16 20:09 | Others


<< いろいろかき集めてみた 秋葉原の激安PC店とか >>