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100万の言葉より

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文庫になったので、嶽本野ばらの『ロリヰタ』を読みました。その感想など。

別にそれがいいとか悪いとか言うつもりはないんですけど、非常に「わかりやすい」なー、というのが第一印象。
何がわかりやすいかというと、作者の意図(って、これはあくまで茄子彦の感想であって作者本来の考えはまったく別のところにあるかもしれません。念のため)。

先ず何と言うか、明らかに話題になることを意図してるっぽい設定です。
タイトルからして(あまりにも有名な)ナボコフの『ロリータ』のパロディというかオマージュで、書店で見かけた人などを「おっ」と思わせます。思わず手にとってしまう。

次いで主人公、これがまた嶽本野ばら本人を髣髴させる造形なのですね。ロリータファションに詳しい作家という設定で。
語り口も一人称で、はたしてこれは虚構の人物であるのかそれとも作者当人なのであるかわからなくなってきます。
作中で主人公が巻き込まれるのはスキャンダラスな醜聞(?)なのですが、もしかするとこれは嶽本野ばら本人が体験した出来事なのではないか、と1%くらいは邪推せずにいられません。こうした感触も作者の思うつぼなのでしょう。太宰治を思わせるやり方ですね。

ネタバレになっちゃうんですが、テーマというか本作品を通じて作者が言いたいことも非常にわかりやすくて、それは一言で言うと「千万言の言葉を費やすよりも、たった一つの顔文字こそが思いを伝えられる場合もある」みたいな感じ。文学的書き言葉の否定と顔文字に代表される「軽薄な」コミュニケーションの肯定とも言えるでしょうか。
こうした話題づくりと文壇に対する挑発的なメッセージのためか、本作品は2004年の三島由紀夫賞の受賞候補となり、最終的には落選してしまいます。

あ、ここまで読んで本作品に否定的な印象を持たれた方もおいでかもしれませんね。
って言うか茄子彦がこの作品を嫌いだと思われた方もいらっしゃるかも。
でもそれはたいへんな誤解なのでして。自分的にはかなり好きです、この作品。
話題作りして何が悪い、わかりやすいの結構じゃないか。
何より本作品で描かれる純愛というか困難な状況での思い、それから流麗な文章は読者に強い印象を残すものと思います。佳作と言って良いでしょう。
未読の方はぜひ。

2007年3月11日 晴海コスプレターミナル
午前中はけっこう雨が強かったので行くのやめようかと思ったのですが、昼過ぎに雨がやんだので行ってまいりました。
家を出るのが遅かったので、到着したのは3時ちょっと前。会場にいたのは2時間少々だったんですが、けっこう楽しめました。

関係ないんですが、イベントの最中にレンズがいきなり調子悪くなってかなり焦っちゃいました。ズームが固まって動かなくなっちゃって。
帰りにカメラ屋さんで見てもらったら、修理には2、3週間かかるみたい。何か代替のものを買わないといけないかも。
カメラ本体も微妙に調子悪いし、ぼちぼち買い替えの時期かなー(その前にサービス窓口に持って行こう)。

いまる さま&ari さま
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いまる さま
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ari さま
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K.みむ さま
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瀞(せい) さま
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灰斗(かいと) さま
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Miu さま
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mikuro さま
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桜沢ひな(おうさわ・ひな) さま
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りりぽ さま
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♪りん♪ さま
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みやこ さま
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by nasuhiko | 2007-03-11 22:26 | Book


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